インドで事業を展開するドイツ企業の59%が今年、現地投資の拡大を計画している
ことが、コンサルティング大手KPMGと在印ドイツ商工会議所の共同アンケート調査
で分かった。21年に比べ23ポイントも増えている。「2029年までの投資拡大を計画
する」は同42ポイント増の78%に達しており、企業の大半は現地事業を中期的に強
化していく意向だ。KPMG国際ビジネス部門の役員は「ドイツ企業は全世界的に多様
化と現地化を推し進めている。アジアでは人口規模、政治的な安定性、持続的な成
長見通しを受けてインドを新規投資先として優先している」と述べた。
インドは経済の急拡大が続いており、2023年度(23年4月〜24年3月)の国内総生産
(GDP)成長率は実質8.2%に達した。24年度も堅調に推移しており、アンケートで
は今年度の売上増を見込む企業が78%に達した。増益を見込む企業も55%と過半数
に上る。今後5年間についても82%が増収、74%が増益を予想している。
インドで展開する事業では「現地市場向けの生産」が最も多く33%に上った。29年
にはこれが45%に拡大する見通し(計画ベース)。人口が14億人超と大きいうえ、
購買力が高まっていることが背景にある。現地で製品を販売するために同国に進出
しているとの回答は27%で2番目に多かった。
インドの産業立地上の強みとしては「人件費の低さ」が54%で最も多かった。これ
に「政治的な安定性」が53%で続いた。「高度人材が多い」は前年を12ポイント上
回る47%となり、3位に付けた。
産業立地上の弱みでは行政・規制のハードル(64%)、汚職(39%)、複雑な税制
(27%)がトップ3を占める。
アンケートは4月9日から5月20日にかけて実施された。