生産者物価が11カ月連続低下、5月は−2.2%に

ドイツ連邦統計局が20日に発表した5月の生産者物価指数(2021年=100)は前年同月
比2.2%減の127.5へと低下した。同物価の下落は11カ月連続。川上のエネルギーと中
間財がこれまでに引き続き低下し、全体を強く押し下げた。
エネルギー価格は前年同月を6.4%下回った。天然ガスが16.3%、電力が11.3%下
がったことが大きい。石油製品は3.3%上昇。上げ幅は灯油で13.4%、自動車燃料で
3.5%に上った。エネルギーの指数自体は基準の21年(100)を約54%上回る152.9
と、極めて高い水準にとどまっている。生産者物価はエネルギーを除いたベースでは
変動がなかった。
中間財は1.8%低下した。全体を強く押し下げたのは紙と化学原料で、下げ幅はそれ
ぞれ6.1%、4.9%に上った。金属は同4.1%で、銑鉄・鉄鋼・鉄合金は11.3%、鉄筋
は8.0%となっている。肥料・窒素化合物(−19.3%)、飼料(−8.9%)、ガラス・
ガラス製品(−6.5%)も大きく下がった。天然石・砂利・砂・粘土・陶土(+
6.2%)、モルタル(+5.0%)、建設用石膏製品(+3.7%)、石灰(+2.7%)は大
きく上昇した。
投資財は2.4%上昇した。構成比重の大きい機械の上げ幅は2.6%、自動車・自動車部
品は同1.6%となっている。
耐久消費財は0.7%だった。
非耐久消費財は0.4%上昇したものの、食料品はマイナス0.2%となり4カ月連続で下
落した。牛乳が9.9%低下。甘味菓子(+21.7%)、バター(+21.4%)は大幅に上
昇した。
生産者物価指数は前月比では変動がなかった。エネルギーが0.5%、耐久消費財が
0.1%低下したのに対し、中間財は0.3%、投資財は0.2%、非耐久消費財は0.1%上昇
した。

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