中国の電子機器大手、聞泰科技(ウィングテック)のオランダ子会社ネクスペリアは
27日、ドイツ北部のハンブルクにある拠点に総額2億ドル(1億8,400万ユーロ)を投
資すると発表した。同投資は当初、補助金を受給して行う計画だったが、欧州連合
(EU)の欧州委員会から支給が認められなかったいわくつきの案件。投資額を全額、
自ら捻出しプロジェクトを進める。
SiC(炭化ケイ素)、GaN(窒化ガリウム)など次世代ワイドバンドギャップ (WBG)
半導体の開発と生産体制を整えるほか、Si(シリコン)ダイオード、トランジスター
の生産能力を拡大する。すでに今月、高電圧GaNデプレッションモード・トランジス
ターとSiCダイオードの生産ラインを稼働させた。今後2年以内にSiC-MOSFET(金属酸
化膜半導体電界効果トランジスター)とGaN HEMT(高電子移動度トランジスター)の
200ミリ生産ラインを設置する。データセンターや電動車などの分野で拡大する需要
を取り込む意向だ。アッヒム・ケンペ最高執行責任者(COO)は「当社のハンブルク
工場は今後、WBG半導体の全種類をカバーできるようになる」と述べた。EUの半導体
主権に寄与するとしている。
同プロジェクトに対しては「欧州の共通利益に適合する重要プロジェクト
(IPCEI)」の枠組みでの公的助成が行われる計画だったが、欧州委は昨年6月、これ
を認めない決定を下した。理由は明らかにされていない。ネクスペリアが中国企業の
子会社であることがネックになったと目されている。
ネクスペリアは蘭半導体大手のNXPセミコンダクターズが中国の投資会社からなるコ
ンソーシアムに売却した汎用品事業ユニットで、2017年に設立された。翌18年に聞泰
科技の子会社となった。