ドイツ連邦統計局と連邦経済省が4日に発表した5月の製造業新規受注指数(2021年=
100)は、物価調整後の実質に季節・営業日数を加味したベースで前月を1.6%下回る
82.0(暫定値)へと落ち込んだ。減少は5カ月連続。大型受注を除いたベースでは下
落幅が2.2%に上った。経済省は製造業の景況感で先行き見通しを示す指数が悪化し
ていることを踏まえ、景気の低迷は今後も続くとの見方を示した。これまでは遠から
ず好転するとしていた。
新規受注を地域別でみると、国内は0.5%増加したものの、国外は2.8%落ち込んだ。
ユーロ圏外が4.6%減となり足を強く引っ張った格好だ。ユーロ圏(ドイツを除く)
は0.1%減だった。
部門別では投資財が4.3%減と振るわなかった。減少は5カ月連続。ユーロ圏外が
8.8%減、ユーロ圏が5.4%減と大きな足かせになった。国内は2.3%増えた。
中間財は1.4%増となり、3カ月ぶりに拡大した。ユーロ圏外とユーロ圏がそれぞれ4.
4%、3.1%増加したことが大きい。
消費財は4.9%増え、4カ月連続で伸びた。ユーロ圏が17.2%拡大し、全体が強く押し
上げられた。
業界別では構成比重の大きい機械が1.9%減、自動車・自動車部品が2.9%減と振るわ
なかった。その他の輸送機器(船舶、航空機、鉄道車両など)は航空機の大型受注減
少が響き19.2%落ち込んだ。医薬品も2.4%縮小した。データ・電子・光学機器(11.
2%増)、金属製造・加工(3.8%増)、化学(1.7%増)は好調だった。
4月の製造業新規受注は当初の前月比0.2%減から同0.6%減へと下方修正された。
新規受注を特殊要因によるブレが小さい3カ月単位の比較でみると、3〜5月は前期
(12〜2月)比で6.2%減少した。大型受注の効果で12月が11.7%増と大幅に拡大した
ことから、3〜5月の減少幅が膨らんだ。国内が6.4%、国外が6.1%の幅で後退した。
5月の製造業売上高(暫定値)は物価調整後の実質に季節・営業日数を加味したベー
スで前月を0.7%下回った。4月については当初の0.9%減から1.0%減へと下方修正さ
れた。