保険大手の独アリアンツは17日、シンガポール同業のインカム・インシュアランス
を買収する計画を明らかにした。成長市場のシンガポールで事業を強化。戦略市場
と位置付けるアジア・太平洋での成長を加速させる。
完全子会社のアリアンツ・ヨーロッパが任意の株式公開買い付け(TOB)を通して
インカム・インシュアランスの株式を最低でも51%取得する。買い取り価格は1株
当たり40.58シンガポールドルで、51%を取得した場合は総額が22億シンガポール
ドル(15億ユーロ)となる。取引の成立には当局の承認が必要。アリアンツは今年
第4四半期〜来年第1四半期の買収手続き完了を見込んでいる。
インカム・インシュアランス株およそ73%を持つNTUCエンタープライズは買収提案
に応じる意向を表明した。インカム・インシュアランスの主要株主にとどまる方針
も示している。
インカム・インシュアランスは損害・事故・医療・生命保険を手がけており、顧客
数は約200万人に上る。代理店、ファイナンシャルアドバイザー、銀行、直営チャ
ンネルを通して商品を販売している。
アリアンツは引受、商品開発、データ分析分野で持つ自社のノウハウと、販売・
パートナーシップ分野でインカム・インシュアランスが持つ強みを組み合わせるこ
とでシナジー効果を引き出す考えだ。買収が実現するとアリアンツは兼営保険会社
のアジア市場ランキングで現在の9位から4位に浮上するという。