ティッセンの鉄鋼子会社にチェコ社が20%出資

独複合企業ティッセンクルップは31日、100%傘下の鉄鋼会社ティッセンクルッ
プ・スチール・ヨーロッパ(TKSE)にチェコのエネルギー大手EPコーポレート・グ
ループ(EPCG)が20%出資し合弁会社化したと発表した。将来的にはEPCGの出資比
率を50%に引き上げTKSEを折半出資会社とする計画で、両社はすでに協議を行って
いる。ティッセンのミゲル・ロペス社長はEPCGの今回の出資を、「鉄鋼事業の自立
化と、強靭でコスト効率が高く気候に優しい鉄鋼生産に向けた重要な一歩だ」と意
義を強調した。
欧州の鉄鋼業界が置かれている状況は厳しい。景気低迷のほか、脱炭素規制の強
化、エネルギー価格の高止まり、中国など域外からの安価な製品の長期流入といっ
た構造問題を抱えているためだ。ティッセンはこうした状況に対応できるようにす
るため、TKSEをEPCGとの合弁会社に改めることを4月に取り決めていた。規制当局
の承認を得たことから、今回の出資が行われた。

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