製造業新規受注2カ月連続増、景気低迷は続く見通し

ドイツ連邦統計局と連邦経済省が5日に発表した7月の製造業新規受注指数(2021年=
100)は、物価調整後の実質に季節・営業日数を加味したベースで前月を2.9%上回る
88.2(暫定値)へと大きく上昇した。増加は2カ月連続。大型受注で水準が押し上げ
られており、それを除いたベースでは0.4%減少した。経済省は購買担当者景気指数
(PMI)と企業景況感が低調なことを踏まえ、製造業の景気低迷は今後も続くとの見
方を示した。
新規受注を地域別でみると、国外が5.1%増と全体をけん引した。ユーロ圏(ドイツ
を除く)が5.9%増、ユーロ圏外が4.6%増とともに大きく伸びている。国内は前月の
伸び率が9.4%と大きかったこともあり、7月は横ばいにとどまった。
部門別では中間財の上げ幅が最も大きく4.4%に上った。増加は2カ月ぶり。ユーロ圏
外が7.4%、ユーロ圏が4.5%、国内が2.5%の幅で伸びた。
投資財は3.5%増えた。増加は2カ月連続。ユーロ圏が8.0%増、ユーロ圏外が5.1%増
と好調だった。
消費財は5.8%減となり、2カ月連続で落ち込んだ。ユーロ圏外が9.2%減、国内が
5.7%減と下げ幅が大きかった。
業界別では、大型受注の効果で「その他の輸送機器」が86.5%の伸び率を記録。電気
装置も18.6%増と大きく拡大した。自動車・自動車部品は1.6%増だった。医薬品
(6.4%減)、化学(0.8%減)、機械(6.1%減)は振るわなかった。
6月の製造業新規受注は当初の前月比3.9%増から同4.6%増へと上方修正された。
新規受注を特殊要因によるブレが小さい3カ月単位の比較でみると、5〜7月は前期(2
〜4月)比で1.7%増加した。大型受注を除いたベースでも1.0%増えている。
7月の製造業売上高(暫定値)は物価調整後の実質に季節・営業日数を加味したベー
スで前月を2.3%下回った。6月については当初の0.9%減から0.5%減へと上方修正さ
れた。

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