高級乗用車大手の独BMWは10日、2024年12月期の業績予測を引き下げた。中国市場の
低迷やブレーキの不具合問題を受けたもので、税引き前利益を従来の前期を「やや下
回る」から「大幅に下回る」へと下方修正した。
自動車部品大手コンチネンタルから供給を受けるブレーキ・バイ・ワイヤー技術採用
の統合ブレーキシステム(IBS)「MK C2」で不具合が見つかった。電子部品に問題が
ある。『フランクフルター・アルゲマイネ』紙がコンチネンタルへの問い合わせをも
とに報じたところによると、法定水準は満たしているものの、本来の性能を下回る
ケースがある。該当するのは納入したシステムの100分の1にとどまり、不具合の有無
はソフトウエアで診断できるという。
BMWはこれに伴い150万台以上のリコールを実施することから、7-9月期に1億ユーロの
ケタ台のコストを計上する。また、MK C2の供給が当面停止されることから、下半期
の販売に悪影響が出る。
こうした事情を踏まえ、自動車部門の24年12月期の販売台数を従来予測の「やや増
加」から「やや減少」に下方修正。売上高営業利益率(EBITベース)についても「8
〜10%」から「6〜7%」に引き下げた。
同社はオートバイ部門についても業績予測を引き下げた。中国や米国など主要市場の
低迷と競争激化を受けたもので、販売台数を「やや増加」から「横ばい」、売上高営
業利益率を「8〜10%」から「6〜7%」に下方修正した。