インフレ率2カ月連続2%未満に、9月は1.6%

ドイツ連邦統計局が30日に発表した9月の消費者物価指数(速報値)は前年同月比
1.6%増となり、上げ幅は前月を0.3ポイント下回った。インフレ率が2%を下回るの
は2カ月連続。
物品の変動率が前月の横ばいからマイナス0.3%へと低下した。エネルギーの下げ幅
が5.1%から7.6%に拡大したことが大きい。原油安や米中の景気懸念を背景に石油製
品の価格が低下。最大州のノルトライン・ヴェストファーレンでは自動車燃料の下げ
幅が12.5%、灯油が同13.8%に達した。天然ガスも5.9%下がった。
食料品は0.1ポイント増の1.6%となり、これまでに引き続き上昇した。エネルギーと
食料品を除いたコアのインフレ率は0.1ポイント減の2.7%だった。
サービスは上げ幅が3.8%となり、前月を0.1ポイント下回ったものの、水準は依然と
して極めて高い。高インフレを受けて大幅に引き上げられた賃金が料金にほぼそのま
ま転嫁されるという業界特有の事情が背景にある。保険や自動車修理、観光で上げ幅
が特に大きい。
前月比のインフレ率は0%で、前月のマイナス0.1%からやや上昇した。
欧州連合(EU)基準のインフレ率は前年同月比が1.8%、前月比がマイナス0.1%。前
月はそれぞれ2.0%、マイナス0.2%だった。
エコノミストの間では前年同月比のインフレ率が10月から再び上昇するとの見方が強
い。比較対象の23年は10月以降、エネルギー価格が大幅に低下し、インフレ率が押し
下げられていたためで、今年は10月からそのベース効果で水準が押し上げられる。

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