ウルフスピードが独SiC工場建設撤回か

半導体大手の米ウルフスピードが自動車部品大手の独ZFフリードリヒスハーフェンと
共同で独ザールラント州にSiC(炭化ケイ素)ウエハー工場を建設する計画は撤回さ
れるもようだ。関係者への取材もともに複数のメディアが報じたもので、ウルフス
ピードは11月初旬の決算記者会見で正式発表するという。両社とザールラント州政府
は報道内容へのコメントを控えている。
ウルフスピードとZFは昨年2月、SiC半導体の研究開発(R&D)センターと工場をそれ
ぞれ合弁で建設する計画を明らかにした。工場はザールラント州エンスドルフ、R&D
センターは独南東部のニュルンベルク圏に設置する予定で、工場用地についてはすで
に整地作業が進められていた。また、投資額30億ユーロのうち5億1,500万ユーロを補
助金で賄う見通しとなっていた。
同計画を撤回するのは、SiC半導体の主要な投入分野として期待されている電気自動
車の需要が伸び悩んでいるためだ。ウルフスピードの財務悪化も響いている。

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