製造業新規受注9月は大幅増に、「年末に景気底打ち」=経済省

ドイツ連邦統計局と連邦経済省が6日に発表した9月の製造業新規受注指数(2021年
=100)は、物価調整後の実質に季節・営業日数を加味したベースで前月を4.2%上
回る87.8(暫定値)へと大きく上昇した。同指数の改善は2カ月ぶり。大型受注の
効果で水準が強く押し上げられたものの、大型受注を除いたベースでも2.2%増加
した。経済省は第3四半期の外需の拡大と最近の景況感の改善を踏まえ、製造業の
景気は年末に底を打つとの見方を示した。
新規受注を地域別でみると、国内が3.6%、国外が4.4%の幅で増加した。国外は
ユーロ圏(ドイツを除く)が14.6%増とけん引。ユーロ圏外は1.6%落ち込んだ。
指数を見ると、国内は最も低く83.1にとどまった。基準年の21年(100)を約17%
も下回っている。ユーロ圏は97.5、ユーロ圏外は87.2だった。ユーロ圏の数値が比
較的高いのは投資財分野の大型受注で水準が押し上げられたためで、前月は85.1に
とどまっていた。
9月の数値を部門別でみると、投資財は8.3%増と伸び率が大きかった。ユーロ圏が
27.9%増、国内が13.8%増と大幅に伸びたためだ。ユーロ圏外は4.6%縮小した。
中間財は2.2%減少し、2カ月連続で落ち込んだ。国内が7.2%減、ユーロ圏が2.6%
減と振るわなかった。
消費財は3.8%増となり、4カ月ぶりに拡大した。ユーロ圏が8.9%、国内が3.4%の
幅で伸びた。
各部門の指数は中間財が79.7と特に低い。投資財は92.6、消費財は91.3だった。
業界別では「その他の輸送機器」が大型受注の効果で117.1%増と急拡大した。
データ・電気・光学機器(7.6%増)、自動車・自動車部品(2.9%増)、医薬品
(0.7%増)も前月を上回った。金属製造(10.0%減)、電気装置(6.9%減)、機
械(3.6%減)、金属製品(1.4%減)、化学(1.3%減)は落ち込んだ。
8月の製造業新規受注は当初の前月比5.8%減から同5.4%減へと上方修正された。
新規受注を特殊要因によるブレが小さい3カ月単位の比較でみると、7〜9月は前期
(4〜6月)比で4.2%増加した。投資財が7.4%増えて全体をけん引した格好。大型
受注を除いたベースでは0.6%減少した。
9月の製造業売上高(暫定値)は物価調整後の実質に季節・営業日数を加味した
ベースで前月を1.4%下回った。8月については当初の3.2%増から3.0%増へと下方
修正された。

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