電機大手の独シーメンス(ミュンヘン)は28日、サウジアラビアの首都リヤドで同社
製の車両を投入する自動運転地下鉄2路線が完成したと発表した。人口が急増する同
地の交通事情の改善につながると期待されている。
リヤドでは計6路線の地下鉄が計画されている。今回完成したのは「ブルーライン」
と「レッドライン」の2路線で、総延長は計64キロメートル。ブルーラインは12月1
日、レッドラインは同15日の操業開始を予定している。
シーメンスは同社の「インスパイロ」プラットホームをベースとした車両「リヤド・
メトロ」67編成を納入した。運転手が不要の無人自動運転電車で、無線を利用した列
車制御システム「CBTC」が採用されている。また、猛暑など現地の気候に対応した仕
様となっている。さらに、砂がエアコンや駆動装置、ブレーキの機能に支障をもたら
すことがないようフィルター・シーリングシステムが搭載されている。
リヤドの市内交通は従来、乗合バスが主な担い手だった。だが、人口が急速に増えて
いることから、都市開発当局は地下鉄の設置を決定。2013年に計6路線を開設する計
画を明らかにした。シーメンスは同年、そのうちの2路線向けの車両と電気系統、信
号・通信技術を受注した。