ロシュが診断薬の生産施設を独に新設

スイス製薬大手ロシュは28日、ドイツ南部のペンツベルク工場で新たな生産施設の
定礎式を行った。診断検査用の原料を生産する。式典に参加したオーラフ・ショル
ツ独首相は、製薬産業立地競争力の強化に向けて政府が昨年打ち出した戦略が奏功
したと強調した。
感染症、神経疾患、心臓病、がん、糖尿病検査に用いる原料450種類強を生産す
る。投資額は個別の対独投資では同社史上最大の6億ユーロ強。2027年の完成、28
年の生産開始を予定する。新規雇用およそ200人を見込む。
ペンツベルク工場は1972年に開設された。雇用規模は7,730人に上る。
ドイツ政府は昨年12月、「国家医薬品戦略」を閣議了承した。医薬品の分野で産業
立地競争力を高める狙いで、治験許可手続きの簡素・短縮化や、電子カルテの情報
やがんデータバンクのデータを医薬品や治療法の開発、研究のために利用しやすく
することを目指している。
こうした姿勢は国内外の製薬会社に評価されており、複数の大手メーカーが対独投
資計画を相次いで発表。ロシュも2月、今後3年間の対独投資額を計10億ユーロ上乗
せする意向を表明した。

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