化学・製薬業界は来年も低迷、欧州委を「ビューロクラシーの震源」と批判

独化学工業会(VCI)は13日、同国化学・製薬業界の2025年の生産高が前年比0.5%
増と小幅な伸びにとどまる見通しを明らかにした。景気低迷のほか、ドイツ経済が
構造危機に陥っていることが背景にある。VCIは規制強化や緩慢の認可手続きが企
業の大きな負担になっているとして、欧州連合(EU)の欧州委員会とドイツ政府に
改善を強く促した。
24年の生産高は2.0%増加する見通し。過去2年間は大幅に減少しており、ようやく
底打ちとなる格好だ。
だが、過去最高となった18年に比べると16%も少なく、状況は極めて厳しい。工場
稼働率は75%で、適正水準(82〜85%)を4年連続で下回る。最近は国内工場を閉
鎖する動きが出始めている。
24年の生産高を製品分野別でみると、基礎化学品は約8%増加する。23年までの数
年間で計25%以上、落ち込んだことから、生産高の水準自体はかなり低い。ポリ
マーと洗剤・ボディケア用品・化粧品もそれぞれ4%、2%増える。
一方、ファイン・スペシャル化学品は2.0%減となり、3年連続で縮小。製薬はサプ
ライチェーンの問題や国内の生産能力不足・生産コスト高が響いて1.5%落ち込
む。
会員企業を対象に11月に行われたアンケート調査によると、25年の利益が「増加す
る」との回答は26%にとどまり、「減少する」(同46%)を大幅に下回った。大半
の企業は来年も厳しい状況が続くと予想している。
事業活動の足かせ要因をたずねたところ、回答が最も多かったのは「規制」で87%
に達した。これに「高い人件費」が63%、「重い税・公課負担」が58%、「緩慢な
認可手続き」が56%、「エネルギー高」が50%で続いた。マルクス・シュタイレマ
ン会長は「政治家はビューロクラシーに伴う負担を軽減すると語るが、現実には
我々を細々とした規制の網へとますます追いやっている」と批判。特にEUレベルの
規制を発案する欧州委員会を、欧州を停滞に追い込んでいる「ビューロクラシーの
震源」だとこき下ろした。
来年2月の選挙で発足するドイツの新政権に対しては、◇競争力を保てる水準への
エネルギー価格の引き下げ◇規制の軽減と認可手続きの迅速化◇税負担の大幅引き
下げ——などを要求した。
アンケートでは化学・製薬産業の空洞化が今後、進む可能性が高いことも分かっ
た。ドイツ国内の固定資本投資を来年「増やす」企業は25%にとどまったのに対
し、「減らす」は40%を記録。一方、国外では「増やす」が46%に達し、「減ら
す」(16%)を大幅に上回った。

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