独アンモニア・尿素製造大手SKWシュティックシュトッフヴェルケ・ピーステリッツ
は22日、国内に2つアンモニア製造施設のうち1つの操業を無期停止すると発表した。
市場環境の悪化と政府の無策が原因としている。アンティエ・ビットナー社長は声明
で、「我々はロシアの侵略戦争の結果として肥料市場に大きなゆがみが生じることを
およそ3年前から警告してきた。安価なロシア産肥料の欧州市場への流入に対し政治
は有効な対策を何ひとつ打ってこなかった。これに加え、SKWピーステリッツのよう
な企業は競争上のデメリットを拡大する連邦政府の政策決定によって市場から追いや
られている」と怒りをぶちまけた。
同社は政府の不適切な政策が製造業の空洞化と国内雇用の喪失を招いていると批判。
エネルギー調達コスト低減策の速やかな実施を要求した。
SKWはアンモニアを原料とする窒素肥料と、ディーゼル車の排ガス浄化に欠かせない
尿素水(アドブルー)の国内最大手メーカー。アドブルーがなければトラック、バス
が走行できないことから、品不足が発生すると物流と旅客輸送に大きな支障が出る。