国際エネルギー機関(IEA)のファティ・ビロル事務局長は『フランクフルター・ア
ルゲマイネ』紙のインタビューで、「ドイツは歴史的な誤りを犯した」と述べ、同国
の原子力発電廃止を批判した。気候変動を背景とするエネルギーの電力シフトや人工
知能(AI)の急速な利用拡大を背景に二酸化炭素(CO2)を排出しない安定的な電源
として原発の利用は世界的に急速拡大。「原子力の新しい時代が始まる」(ビロル
氏)なかで、同国が2023年春に国内原発の運転をすべて停止したことは、経済競争力
の維持に必要な適切なエネルギー価格、エネルギー安全保障、気候保護という三重の
意味で誤りだと明言した。原発利用の再開は「ドイツにとってマストではないが、選
択肢の1つであり続ける」としている。