工作機械の24年生産高4%減少、25年は下げ幅さらに拡大

独工作機械工業会(VDW)が20日に発表した独業界の2024年国内生産高は前年比4%
減の148億ユーロ(推定値)に落ち込んだ。減少は20年以来で4年ぶり。自動車業界
の危機や、中国・欧州市場の低迷が響いた格好だ。
1〜10月の輸出高は75億ユーロで、前年同期を5.2%下回った。全体の46%を占める
欧州が16%減少し足を強く引っ張った。アジアはインドと韓国が好調だったことか
ら1%減と小幅な落ち込みにとどまった。アメリカ大陸は主力の米国が好調で17%
伸びた。
輸出を仕向け先国別でみると、米国は20%増の14億2,400万ユーロとなり、中国を
抜いて最大の輸出先国となった。中国は12億1,800万ユーロで12%減少。3位のイタ
リアは38%減の3億3,800万ユーロ、4位のスイスは10%減の3億3,200万ユーロ、5位
のフランスは10%減の3億3,100万ユーロと減少幅が2ケタ台に上った。9位のポーラ
ンドも33%減の2億4,100万ユーロと振るわない。一方、インドは36%増の2億5,200
万ユーロと大きく伸び、6位に浮上した。
25年の国内生産高については24年を10%下回る133億ユーロに落ち込むとの予測を
示した。24年1〜11月の新規受注高が前年同期を22%下回ったことを踏まえたも
の。新規受注の減少幅は国内が10%、国外が27%。国外は欧州が34%、アジアが
30%、アメリカ大陸が27%に達した。
独工作機械業界の販売シェア(23年のデータ)を顧客業界別でみると、機械は
30.1%に達し、自動車(同27.2%)を抜いて初めて首位に立った。自動車向けは業
界の構造転換とそれに伴う危機で需要の減少が続いている。その傾向は特に完成車
メーカーで顕著で、23年は13年の33%から10%へと大幅に落ち込んだ。

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