24年も人口増加、成長率引き上げには労働移民の拡大が必要

ドイツの人口が2024年12月末時点で推定8,360万人となり、前年同日を10万人弱、上
回ったことが、連邦統計局の23日の発表で分かった。増加幅は前年の34万人を下回っ
たものの、在住者は2年連続で増えた。
同国の人口は東西ドイツが統一した1990年以降、ほぼ一貫して増加している。移民の
流入が流出を上回っているためだ。
移民の流入数から流出数を引いた純流入(人口の社会増)は40万〜44万人に上った。
前年の66万2,964人から大幅に減ったものの、16〜19年の平均水準(41万人)を保っ
ている。前年比で減少したのは、シリア、アフガニスタン、トルコ、欧州連合(EU)
加盟国からの流入が減ったため。
国内の出生者数から死亡者数を引いた自然増減では減少幅が31万〜33万人に達し、3
年連続で30万人を超えた。同国では自然減が拡大傾向にあり、1999〜2021年の平均は
13万7,380人にとどまっていた。24年の出生数は約2.5%減の67万〜69万人、死亡数は
約2.5%減の100万人だった。
一方、ドイツ経済研究所(DIW)は同日、1960年代生まれのベビーブーム世代が今
後、定年退職し労働人口が減少することを踏まえ、外国人労働者をこれまで以上に増
やす必要があるとの見解を表明した。労働移民が増えなければ、潜在成長率(資本、
労働力、生産性の3要素をもとに算出される経済全体の供給能力の増加率)が近い将
来、現在の0.4%から0%に落ち込むと指摘。労働移民の数を150万人増やせば、29年
には潜在成長率を04〜23年平均の1.1%に引き上げられるとしている。政府に対して
は労働ビザ発給や資格認定などで煩雑な行政手続きをこれまで以上に簡素化するなど
移民促進の強化を促した。

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