農業化学大手の独バイエルは30日、独自開発した除草剤「イカフォリン(Icafolin)」の認可を欧州連合(EU)に申請したと発表した。環境負荷が小さいうえ、農地にも有益なことから、同社は将来性を期待している。ピーク時の年商で7億5,000万ユーロを見込む。
イカフォリンは雑草の発芽後に使用するタイプの除草剤。雑草の特定のたんぱく質を標的とする。同薬の作用で枯れた雑草は根覆いの役割を果たすことから、土壌の侵食抑制と保湿性維持効果が期待できる。既存の除草剤に耐性を持つ抵抗性雑草にも有効だ。「グリフォサート」など既存薬と組み合わせて投入するという選択肢もある。
バイエルは同除草剤の認可申請をすでにブラジル、米国、カナダで提出した。ブラジルでは2028年にも市場投入できると見込んでいる。