化学大手の独BASFとノルウェーの窒素肥料大手ヤラ26日、米メキシコ湾岸地域にブルーアンモニアのワールドスケール工場を建設する共同プロジェクトを中止すると発表した。気候変動の事実を認めないトランプ氏が大統領に返り咲き、需要の見通しが大幅に悪化したためと推測される。
ブルーアンモニアは化石燃料を原料とする点で従来のアンモニアと変わりがないものの、製造過程で発生する二酸化炭素(CO2)を分離・貯留(CCS)することから、環境負荷が小さい。
両社は2023年、年産能力120万〜140万トンの工場を設置し、CO2の95%を地下に永久貯留する計画を発表した。ヤラはこれにより、カーボンフットプリント(CFP)の少ないアンモニアを顧客に供給。BASFはアンモニアをベースとする自社製品のCFPを削減する考えだった。