国有のドイツ鉄道(DB)は17日、高速鉄道ICEの新型車両「ICE L」をベルリン東駅で公開した。ドイツの高速鉄道で初めて段差のないノンステップを採用するなど、快適性を重視した造りとなっている。…
「鉄道に顧客が満足するためのアジェンダ」というDBの構造改革計画を9月に打ち出したパトリック・シュニーダー交通相は「鉄道顧客は再び王様にならなければならない」と強調した。
ICE Lはスペイン企業タルゴが製造した車両で、DBは計79編成を発注した。乗り降りのしやすさに加え、◇各座席に電源が備え付けられている◇シート後部(乗客の前方)にタブレットホルダーが装備されている◇移動通信の電波を増幅・整形して再送信するリピーターを使わずガラス越しに直接、送受信できる◇車椅子利用者のために広い乗り降り口があるほか、高さの調整が可能なテーブルが装備されている――など、カスタマーエクスペリエンス重視の姿勢が明確に打ち出されている。
ダイヤが改正される12月14日から運用を開始する。まずはベルリン〜ケルン間に投入。5月1日からはベルリン〜ハンブルク〜ヴェスターラント(ジルト島)間でも運用を行う。7月11日からはさらに、フランクフルト〜ギーセン〜ヴェスターラント間、ケルン〜ミュンスター〜ヴェスターラント間、ドルトムント〜オーベルストドルフ間に投入する計画だ。将来的にはオランダのアムステルダム、デンマークのコペンハーゲン、オーストリアのウィーンへの延長を視野に入れている。