15年失業者数が統一後最低の280万人弱に

ドイツ連邦雇用庁(BA)が5日発表した2015年の平均失業者数は前年を10万4,000人下回る279万5,000人となり、ドイツ統一後の最低を記録した。堅調な経済を背景に雇用が拡大していることが大きい。来年は難民急増を受けて失業者が増加に転じる見通し。

15年12月の失業者数は268万人で、前月を5万8,000人上回った。冬季に入り屋外労働の需要などが減少したことが響いた格好で、季節要因を加味した実質では1万4,000人減少した。

昨年は少なくとも110万人の難民がドイツに流入した。ピークは過ぎたものの、現在も1日当たり4,000人の流入が続いている。難民認定を受けた外国人は求職活動に向けて失業登録するため、失業者は今年、年平均で7万人増加する見通し。ドイツ語を習得していない人が多いことから、BAは就職斡旋の成功率が10%程度にとどまるとみている。最近は従来の期待に反して、高度な技能や学力を持つ難民は少ないとの見方が強まっており、これらの人々を労働市場に統合するのは難しい課題となりそうだ。

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