ドイツ連邦銀行が22日発表した偽造通貨統計によると、昨年1年間に国内の小売店や銀行で見つかった偽ユーロ紙幣の枚数は前年比51%増の9万5,357枚と大幅に拡大し、過去最高を更新した。全世界で見つかったユーロの偽造紙幣(89万9,000万枚)に占める割合は約11%。人口1万人当たりの枚数は12枚で、ユーロ圏全体の27枚を大幅に下回っている。
ドイツで見つかった偽造紙幣の総額は前年比25%増の440万ユーロで、04年(610万ユーロ)、05年(490万ユーロ)に次いで3番目に多かった。04年と05年は額面が大きい100ユーロ札と200ユーロ札の偽札が多かったという事情がある。
昨年見つかった偽造紙幣に占める割合が最も多かったのは50ユーロ札で、49%に上った。20ユーロ札も40%と多く、この2つで全体の89%を占めた。100ユーロ札は6%、200ユーロ札と10ユーロ札はそれぞれ2%、500ユーロ札と5ユーロ札はそれぞれ1%だった。
欧州中央銀行(ECB)は偽造対策で現在、新しい紙幣の導入を進めており、これまでに5ユーロ紙幣(導入13年5月)、10ユーロ紙幣(14年9月)、20ユーロ紙幣(15年11月)を切り替えた。50ユーロ紙幣も17年に改める予定だ。
一方、ドイツで昨年見つかった偽造硬貨は約3万4,000枚で、前年の4万6,000枚から26%減少した。全体の80%を2ユーロ硬貨が占め、これに1ユーロ硬貨(16%)、50セント硬貨(4%)が続いた。20セント以下では偽造硬貨が見つかっていない。