独最大手銀行のドイツ銀行が1月28日発表した2015年10~12月期(第4四半期)決算の最終損益は21億2,500万ユーロの赤字となり、前年同期の黒字(4億4,100万ユーロ)から大幅に悪化した。同行は第3四半期も60億2,400万ユーロの赤字となっており、2四半期連続で巨額赤字を計上したことになる。法務リスクの引当金とリテール部門の人員削減が大きなマイナス要因となった。税引き前損益は27億400万ユーロの赤字だった。
税引き前損益を部門別でみると、投資銀行業務を手がけるCB&Sは11億5,300万ユーロの赤字だった(前年同期は3億2,300万ユーロの黒字)。法務リスク引当金のほか、証券取引事業とM&Aアドバイザリー事業の不振が響いた格好。
リテール部門PBCの税引き前損益も6億7,500万ユーロの赤字となり、前年同期の黒字(800万ユーロ)から悪化した。国内店舗の統廃合などに伴う人員削減で6億6,900万ユーロのコストを計上。ソフトウエアの減損損失でも1億3,100万ユーロを計上した。
15年12月通期の純損益は67億7,200万ユーロの赤字となり、赤字幅は過去最大となった(前期は16億9,100万ユーロの黒字)。無形資産の評価損(57億7,600万ユーロ)、法務リスク引当金(52億1,800万ユーロ)、リストラ費用(9億6,500万ユーロ)が損益を大幅に押し下げた。
ドイツ銀は法務リスク費用を12年からこれまでに計127億ユーロ計上した。経営の立て直しに取り組むジョン・クライアン新頭取は、今年はリストラのピークの年になると述べ、厳しい経営が今後も続く見通しを明らかにした。