ティッセンクルップ―10-12月期赤字転落―

鉄鋼系複合企業の独ティッセンクルップ(エッセン)が12日発表した2015年10-12月期(第1四半期)決算の純損益は2,300万ユーロの赤字となり、前年同期の黒字(5,000万ユーロ)から悪化した。鉄鋼事業の不振が響いた格好で、営業利益(EBIT、調整済み)も26%減の2億3,400万ユーロに後退。売上高は5%減の95億4,800万ユーロで、売上高営業利益率は前年同期の3.2%から2.5%へと落ち込んだ。

世界の鉄鋼市場では国内市場の縮小を受けて中国メーカーが輸出を大幅に拡大。製品価格は大幅に下がり、業界各社は業績が悪化している。ティッセンクルップでは欧州とアメリカ大陸の鉄鋼事業がそれぞれ13%、30%の減収となり、アメリカ大陸鉄鋼事業はEBIT(同)が7,400万ユーロの赤字に転落した。

ギド・ケルクホフ財務担当取締役は記者会見で、鉄鋼価格の下落は底を打ち、顧客の在庫も少なくなっていると指摘。需要はひとまず拡大に転じるとの見方を示した。

同社は16年9月通期のEBIT(同)が16億~19億ユーロ(15年9月期は16億7,000万ユーロ)になるとの予測を示した。素材市場が下半期に大幅改善することを前提としており、下振れリスクの可能性を排除していない。

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