ハンブルク港マーケティング協会が10日発表した同港の2015年のコンテナ取扱量は前年比9.3%減の882万TEU(20フィートコンテナ換算)と大幅に落ち込んだ。中国とロシア経済の低迷が響いた格好。同協会のアクセル・マッターン理事は記者会見で、取扱量は今年も減少する可能性が高いとの見方を示した。
コンテナ取扱量は対中国で14.4%減の254万TEUに後退。対ロシアは34.4%減の43万TEUと激減した。ポーランドも39.8%減の24万TEUに落ち込んでおり、バルト海地域全体では22.6%減の180万TEUへと縮小した。
欧州北西部の港湾でコンテナ取扱量が最も多かったのは蘭ロッテルダムで、1,223万TEU(前年比0.5%減)に上った。これにベルギーのアントワープ(7.5%増の965万TEU)、ハンブルク、独ブレーメン(3.6%減の559万TEU=推定値)が続く。アントワープ港の取扱量が増えたのは近場のゼーブルッヘ港でターミナルが1カ所、閉鎖されたことがプラスに働いたため。
超大型コンテナ船のハンブルク寄港件数は積載能力1万~1万3,999TEUのクラスで11.7%増の497件に拡大。1万4,000~1万9,000TEUのクラスでは141.9%増の150件と約2.5倍に達した。ハンブルク州のフランク・ホルヒ経済相は、エルベ川浚渫工事に裁判所のゴーサインが出れば超大型コンテナの寄港はさらに増えるとの見方を示した。
同港の海運貨物取扱量は1億3,780万トンで、前年を5.4%下回った。輸出が6.0%減の6,070万トンに縮小。輸入も4.9%減って7,720万トンとなった。
ばら積み貨物は4,550万トンで、前年を5.8%上回った。農作物が12.4%増の920万トンと好調で、全体をけん引。グラブ貨物(グラブバゲットで取り扱う石灰、肥料、鉱石などの貨物)も9.2%の2.230万トンに拡大した。液体貨物は1,400万トンで、2.6%減少した。