化学大手の独バイヤスドルフ(ハンブルク)は17日の決算発表で、買収を活用して事業を拡大していく考えを明らかにした。手元資金は約30億ユーロに上っており、適切な対象があれば獲得したいとしている。ただシュテファン・ハイデンライヒ社長は、コスメティック用品業界では買収対象となる候補が少ないうえ、買収価格が割高になりやすいと指摘。実際に買収を実施するかは定かでないことを明らかにした。
2015年12月期の純利益は6億6,000万ユーロで、前期を24.8%上回った。比較対象の14年12月期は中国事業の減損損失で水準が押し下げられていたという事情がある。
売上高は66億8,600万ユーロで、6.4%増加した。為替と事業整理の影響を除いた実質ベースでは増収幅が3.0%だった。営業利益(EBIT、調整済みベース)は11.7%増の9億6,200万ユーロで、売上高営業利益率は前期の13.7%から過去最高の14.4%へと上昇した。
16年12月期は実質ベースで3~4%の増収、売上高営業利益率で15年12月期をやや上回る水準を見込む。世界経済の先行き不透明感を踏まえ、控え目な予測を示した。