電機大手の独シーメンス(ミュンヘン)は2月23日、サウジアラビアの首都リヤドの地下鉄プロジェクト向けに納入する無人運転車両を初公開した。同社のモデル「インスパイロ」をベースとしたもので、猛暑など現地の気候に対応した仕様となっている。現在はウィーンにある世界最大の気候実験場でテストを実施しており、今春中にもドイツで認可手続きを開始する予定だ。
リヤドの市内交通は従来、乗合バスが主な担い手だった。だが、人口が急速に増え、1990年の2倍の500万人超に拡大していることから、都市開発当局は地下鉄の設置を決定。2013年に計6路線を開設する計画を明らかにした。
シーメンスは同年、そのうちの2路線向けの車両と電気系統、信号・通信技術を15億ユーロで受注した。計74編成を納入する。最高速度は時速90キロ。酷暑に耐える冷房を備えるほか、砂の侵入で不具合が起きないよう工夫されている。