ハチソン、英での買収めぐり欧州委に是正策提示

欧州委員会は2日、香港の複合企業CKハチソン・ホールディングスが英国の携帯電話サービス会社を買収する計画について、競争上の是正策を提案したことを明らかにした。これを受けて審査する期限を4月22日から5月19日に延長し、買収の可否を最終判断する。

ハチソンは昨年3月、スペイン通信最大手テレフォニカの英携帯電話サービス部門O2を102億5,000万ポンド(約133億ユーロ)で買収し、傘下の英同業スリーと統合することで合意していた。英携帯電話サービス市場でO2は2位、スリーは4位となっており、買収が実現すると新会社の市場シェアは40%を超え、最大手のEEを抜いて首位に浮上する。

これについて欧州委は10月、初期審査での承認を見送り、本格的な調査を開始した。統合が実現すると英国の大手携帯事業者はスリー、EE、ボーダフォンの3社に減って寡占化が進み、競争が弱まって価格上昇や投資の縮小を招く恐れがあると判断したためだ。

欧州委はハチソンが提示した是正策を明らかにしていない。しかし、同社は先ごろ◇統合から5年間は通話とショートメッセージサービス(SMS)の料金を据え置く◇英事業に5年間で500万ポンドを投資する◇ネットワーク容量の一部を他社に譲渡する――といった方針を打ち出しており、これらが含まれると目されている。

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