ドイツ連邦陸運局(KBA)が2日発表した2016年2月の乗用車新車登録台数は前年同月比12.1%増の25万302台と2ケタ台の伸びを記録した。経済の安定のほか、比較対象の15年2月に比べ営業日数が1日多かったことが大きい。1~2月の累計は前年同期比7.8%増の46万8,667台だった。2月の国内新規受注台数は前年同月を20%以上、上回っており、新車登録の拡大基調は今後も続く見通しだ。
独自動車工業会(VDA)によると、2月は輸入ブランドが(シュコダなど独メーカーの国外ブランドを除く)前年同月比16%増の6万9,100台に伸びて全体をけん引。独メーカーのブランドも11%増の18万1,200台に拡大した。
2月の新車登録台数を動力源別でみると、前月は約28%減と振るわなかった電気駆動車(電気自動車とレンジエクステンダー)が72.2%増の751台と大幅に拡大。ハイブリッド車も71.4%増の3,532台と好調だった。プラグインハイブリッド車はそのうちの1,239台を占めた。新車に占めるガソリン車の割合は50.9%、ディーゼル車は同47.2%だった。新車の走行1キロメートル当たりの二酸化炭素(CO2)排出量は平均127.5グラムで、前年同月を1.9%下回った。
部門別では大型車が2.2%減となった以外、すべて増加した。増加幅は特にスポーツ車(42.7%増)、キャンピングカー(39.2%増)、SUV(33.2%増)で大きく、新車に占めるSUVのシェアは12.4%に上った。コンパクトカー(シェア25.2%)、小型車(14.4%)、中型車(13.5%)に次いで4番目に大きい。
伸び率が最も大きかったブランドは電気自動車(EV)の米テスラ。台数は91台に過ぎないものの、増加幅は250.0%に達した。これにジャガー(96.5%増の444台)、韓国の双竜(66.7%増の190台)、ホンダ(60.5%増の3,181台)が続く。ホンダは1月も80.9%増加しており、2カ月連続の大幅拡大となった。
ドイツ車ではオペル(28.1%増の1万9,159台)、メルセデス(23.3%増の2万2,252台)、フォード(16.3%増の1万7,858台)、アウディ(14.5%増の2万3,401台)が2ケタ台の伸びを記録。ポルシェ(8.1%増の2,233台)、BMW(8.0%増の1万9,546台)、VW(4.3%増の5万2,282台)も前年同月を上回った。スマート(2.0%減の2,785台)とミニ(7.0%減の2,376台)は減少した。
日本車はスズキ(6.6%減の2,183台)以外すべて増加した。各ブランドの実績は三菱が40.8%増の3,325台、スバルが32.4%増の654台、レクサスが17.2%増の136台、マツダが16.3%増の5,048台、トヨタが14.5%増の5,042台、日産が9.8%増の6,038台だった。
日本車以外の主な輸入ブランドではランドローバー(47.2%増の1,836台)、ボルボ(34.7%増の2,797台)、ルノー(21.9%増の7,581台)、シトロエン(17.2%増の3,664台)、プジョー(14.7%増の3,848台)、現代(11.1%増の7,284台)が2ケタ台の伸びを記録。シュコダ(9.1%増の1万4,670台)、起亜(7.8%増の4,110台)、フィアット(5.7%増の4,698台)、ダチア(2.2%増の2,940台)も増加した。ジープは5.3%減の1,024台、セアトは10.7%減の5,981台、DSは18.1%減の263台だった。
VDAが同日発表した国内乗用車生産台数は53万2,800台で、前年同月を6%上回った。同輸出台数は5%増の40万3,400台。1~2月の累計は生産台数が前年同期比3%増の94万9,800台、輸出台数が横ばいの71万5,000台だった。