露チタン大手VSMPO、生産能力増強へ大型投資

チタン製造世界最大手であるロシアのVSMPOが生産能力増強のため大規模な設備投資を計画している。ドイツ貿易・投資振興機関(gtai)が先ごろ明らかにしたもので、同社の本拠地であるウラル連邦管区スヴェルドロフスク州のヴェルクニャヤ・サルダ工場に5億ルーブル(約640万ユーロ)を投資するほか、露政府が同国のチタン部品製造拠点として400億ルーブルを投じて開発するチタンバレー経済特区の新工場には23億ルーブルを投資する。

チタン打ち抜き部品を半製品に加工しているヴェルクニャヤ・サルダ工場では、最新の機械を導入し生産能力を10~15%引き上げる。一方、新設した子会社を通して建設中の『チタンバレー』の新工場には、ガントリー式5軸フライス盤や5軸マシニングセンター(数値制御工作機械)などの設備を導入する。同工場では航空機の胴体と翼に用いるチタン部品を生産し、ボーイングやエアバスなどに供給する予定だ。

ロシアが景気後退に陥る中、昨年のVSMPOの売上高は13億米ドルに上った。製品のラインナップが完成品から半加工品まで及び、生産量も比較的安定していることが、景気悪化の影響を回避できた理由としている。(1RUB=1.60JPY)

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