バルト海の漁業管理、加盟国と欧州議会が基本合意

EU議長国オランダと欧州議会の代表は15日、バルト海に棲息するタラ、ニシン、スプラット(ニシン科の小魚)の過剰な漁獲を防止し、水産資源を適切に管理・保護するための多年次計画の内容で基本合意した。加盟国のEU大使で構成する常駐代表委員会(COREPER)の承認を経て、閣僚理事会と欧州議会で計画案が採択される見通しだ。

EUでは2013年、水産資源の乱獲をなくして持続可能な漁獲を実現するための共通漁業政策(CFP)改革案が採択され、14年1月に漁獲物を海に投棄する行為を段階的に禁止するルールなどが導入された。バルト海の3魚種を対象とする規制案はCFP改革後に策定された最初の多年次計画で、07年から実施されているタラの管理計画に代わって導入される。

現行の管理計画はタラのみを対象としているのに対し、新たな計画案はニシンがタラの卵を食べる一方、タラはニシンやスプラットを食べるといった食物連鎖を考慮して、複数の魚種を同時に管理するアプローチを採用している点が特徴。漁獲機会を維持して水産物の安定供給を図りながら、最新の科学的データに基づいて海洋資源を適切に管理し、環境および経済面で持続可能な海洋資源の開発を実現するための施策が盛り込まれている。

オランダのファン・ダム農業相は「バルト海における水産資源の管理・保護を目的とする多年次計画は、完全にCFP改革の原則に沿って策定されている。今回の合意により、北海など他の水域に棲息する魚種についても同様の計画案を準備することが可能になる」と指摘した。

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