独製薬大手シュターダ(バート・フィルベル)のハルトムート・レッツラフ社長は3月23日の決算記者会見で、美容事業の強化方針を明らかにした。主力の後発医薬品事業が頭打ちとなっていることから、一般医薬品(OTC)とならぶ成長事業に育て上げる考えだ。
美容事業の強化に向けて同社は昨年末、墺クローマ・ファーマと提携。クローマ・ファーマの既存薬をドイツを含む欧州数カ国と香港で販売する権利を取得した。また、ボツリヌス毒素を成分とする開発中の医薬品についても販売権を獲得した。同薬は現在、治験の最終段階であるフェーズ3に達しており、2018年の市場投入が見込まれている。
15年12月期決算の売上高は前期比3%増の21億1,510万ユーロに拡大した。OTC事業が7%増の8億5,360万ユーロと好調で全体をけん引。シュターダ全体の売り上げに占める同事業の割合は前期の38.8%から40.3%へと上昇した。後発医薬品事業の売上高は横ばいの12億1,750万ユーロだった。
営業利益(EBITDA)は2億2,370万ユーロで、19%増加した。比較対象の14年12月期は無形資産の評価損で水準が押し下げられており、その反動が大きい。純利益は71%増えて1億1,040万ユーロとなった。