BMW、MRシステムを開発に導入

独高級車大手のBMWは7日、現実世界と仮想世界を融合させる映像技術である複合現実感(MR:Mixed Reality)システムを自動車開発に導入すると発表した。民生家電業界が開発した技術を採用したことにより、従来の仮想現実(VR)システムに比べ低コストでVR技術を幅広い分野で活用できるようになった。

複合現実感(MR)システムでは、例えば、実際に大都市を走行しているような感覚をシミュレーションすることが可能で、車載ディスプレーがどのようなシートポジションや視角では認識しづらいかといった問題点をエンジニアやデザイナーが開発の早い段階で確認することができる。BMWのシステムでは、5m×5mの空間の動きを認識し、映像に反映することができる。

BMWはMRシステムの開発で、台湾のスマートフォンメーカーである宏達国際電子(HTC)が開発したVRヘッドマウントディスプレイ「Vive」を採用した。HTC「Vive」の開発キットは2015年秋からパイロットプロジェクトに投入して試験してきたという。また、映像制作には、米ゲーム開発会社のエピックゲームズが開発したゲームエンジン「Unreal Engine 4」を使用した。

MRシステムの導入により、例えば、様々な拠点の開発者が出張せずにその場で開発中の製品をシミュレーションできる利点もある。

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