独自動車大手のダイムラーは4月29日、ハンガリーのケチケメートにあるメルセデスベンツ工場に約5億8,000万ユーロを投資すると発表した。2018年までに次世代コンパクトカーを生産するための製造設備の導入や生産能力の増強などに投資する。29日には同計画の一環として新たな車体製造棟の定礎式が行われた。
今回の投資のうち、新車体製造棟(敷地面積:9万9,000平方メートル)の建設に2億5,000万ユーロを投資する。生産能力の拡大では、プレス工場の生産能力増強や生産ラインの調整、表面処理用ロボットの導入などを計画している。
また、次世代コンパクトカーの組み立てでは、全自動式の無人搬送車が物流・選別ゾーンから部品の入ったバスケットを製造ラインまで輸送するシステムを導入する。最後にバスケットの中の部品がすべてが組み込まれたかを確認することができる仕組みで、品質管理が向上する利点もあるという。
ケチケメート工場には現在、4,000人以上が勤務している。2015年には18万台以上のコンパクトカーを生産した。同工場では2012年に「Bクラス」の生産を開始し、2013年には4ドアのコンパクトカー「クーペCLA」、2015年には「CLAシューティングブレーキ」の生産も加わった。「クーペCLA」と「CLAシューティングブレーキ」の2モデルはケチケメート工場が独占的に生産しており、全世界に出荷している。
ダイムラーは2015年末までにケチケメート工場に総額で約10億ユーロを投資している。