カブリオレ、ロードスター用の特殊暖房であるダイムラーの「エアスカーフ」は特許侵害に当たるとして特許管理会社JKパテントポートフォリオが提訴していた係争で、最高裁の連邦司法裁判所(BGH)は10日、原告の主張を認める判決を下した。ダイムラーは下級審で勝訴していたが、今回の判決で逆転敗訴が確定。エアスカーフ搭載車の販売と宣伝を行うことができなくなった。
エアスカーフはシートのヘッドレストに設置されたエアダクトから温風を首まわりに吹き付けるシステムで、カブリオレなどの搭乗者は低温下でも快適に走行できる。ダイムラーは同システムを商標登録し1998年から自社の車両に搭載してきた。
ダイムラーは今回の判決により、エアスカーフ搭載車を販売できなくなったほか、これまで販売した分については損害賠償を支払うことになる見通しだ。
ただ、販売禁止となるのはドイツ国内だけで、国外は対象とならない。また、原告側の特許は12月25日で期限を迎えるため、ダイムラーはその後、エアスカーフ搭載車を再び販売できるようになる。