独産業用ロボット・機械設備大手のクーカ(KUKA)は18日、中国家電大手の美的集団が100%子会社MECCAインターナショナルを通してクーカに買収提案してきたと発表した。1株当たり115ユーロの現金買収を提案している。同価格は前日の株価終値を36.2%上回る水準となる。
クーカによると、美的集団は、産業のデジタル化を目指す取り組み「インダストリー4.0」や中国事業の拡大などクーカの今後の成長戦略を支持していく方針であり、アウグスブルクの本社工場や内外拠点、クーカブランドの維持や、経営陣、既存の大株主の残留にも賛意を示している。
クーカの大株主は現在、独機械メーカーのフォイトが25.1%、起業家のフリードヘルム・ロー氏が有限会社Swoctemを通して10.0%を保有している。美的集団は2015年末にクーカの株式の5.43%を取得し、2016年2月には出資比率を10.22%に引き上げた。
独日刊紙『フランクフルターアルゲマイネ』によると美的集団は、今回の買収提案によりクーカの株式の30%以上を確保することを目指しているもよう。将来は、家電事業を補足する事業として、クーカのノウハウを生かしたサービスロボット事業の展開などを視野に入れているという。