炭素製品大手の独SGL(ヴィースバーデン)は2日、黒鉛電極などを手がける「パフォーマンス製品(PP)」部門の法的な分離が完了したと発表した。同部門は業績不振に陥っており、経営陣は昨年7月、法的に分離し戦略的なオプションを検討する方針を表明していた。今回の措置により売却や合弁化、新規株式公開(IPO)の前提を作り出したことになる。
SGLは黒鉛価格の大幅下落を受けて業績が悪化している。背景には顧客業界である鉄鋼が過剰な生産能力を抱えていることがある。
経営陣は今後の成長が見込める「黒鉛材料&システムズ(GMS)」「炭素繊維・複合材料(CFM)」の2部門を強化する方針で、GMSとCFMの合計の売上高を2020年までに14年比50%強増の約10億ユーロ(買収を除いた内部成長ベース)へと拡大する考えだ。