ドイツ連邦統計局が10日発表した5月の卸売物価指数(2010年=100)は前年同月比の低下率が2.3%となり、前月の同2.7%から0.4ポイント縮小した。下げ幅が縮小するのは6カ月ぶり。指数自体は前月を0.9ポイント上回る103.7へと増加し3カ月連続で上昇しており、卸売物価の上げ基調が鮮明になってきた。直近のボトムである2月(102.2)に比べると1.5ポイント高い。
前年同月比の価格の下落率は多くの製品分野で縮小。石炭・石油製品は前月の16.7%から16.4%、鉱石・金属は同8.2%から6.2%、穀物・葉たばこ・種子・飼料は9.7%から5.4%、動物は7.1%から5.7%へとそれぞれ縮まった。また、青果・じゃがいもは上げ幅が4.6%から7.0%に上昇し、たばこも同3.6%から4.5%に拡大するなど物価の下落を鈍化させた。
牛乳・乳製品・卵・食用油種は下げ幅が前月の4.4%から6.9%へと拡大した。牛乳の供給過多とそれに伴う小売店の大幅値下げが反映された格好。化学製品も下落率が5.4%から6.1%へと広がった。
卸売物価指数は前月比では0.9%増と大幅に上昇し、3カ月連続で拡大した。物価に占める比重が大きい石炭・石油が4.5%増加。穀物・葉たばこ・種子・飼料(3.2%増)、鉱石・金属(2.5%増)、動物(2.1%増)、青果・じゃがいも(2.1%増)も前月を大きく上回った。牛乳・乳製品・卵・食用油種は2.9%下落し、情報・周辺機器/ソフトウエアも0.7%下がった。