社会保険料の対給与比率、来年は5年ぶりに40%突破

給与支給額に対する社会保険料の比率が来年、5年ぶりに40%を超える見通しであることが、独雇用者団体連合会(BDA)の調べで分かった。社会保険料は基本的に労使が折半していることから、企業の人件費負担が膨らみ、ドイツの競争力低下につながる懸念がある。

キリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)と社会民主党(SPD)からなる第一次メルケル政権は2005年の政権樹立に際し、社会保険料の対給与比率を当時の42%から40%未満に引き下げる目標を設定。失業保険料率を6.5%から大幅に引き下げるなど改革に取り込んだ。構造改革の効果でドイツ経済が長期低迷から回復し、雇用情勢が改善したこともあり、13年以降は同比率が4年連続で40%を下回っている。

だが、来年は介護保険料が0.2ポイント引き上げられるほか、公的健康保険の料率も平均0.1~0.2ポイント上昇する見通し。CDU/CSUとSPDからなる現政権(第三次メルケル政権)は堅調な経済を受けて、公的年金の保険料納付期間が45年以上の被保険者について、支給額の減額なしに年金を受給できる年齢を65歳から63歳に引き下げる(63歳年金)といった年金拡充政策を実施したことから、今後は企業と被用者の年金負担も大きく膨らむ懸念がある。

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