国際通貨基金(IMF)は8日発表したユーロ圏に関する年次報告書で、2016年の予想成長率は前年の1.7%を下回る1.6%に減速するとの見通しを示した。英国のEU離脱が国民投票で決まったことを受けたもので、投票直前に示した予測の1.7%から0.1ポイント引き下げた。17年は1.7%から1.4%に下方修正した。
IMFは下方修正について、英の離脱決定による悪影響が主因と指摘。世界経済の先行き不安や移民問題、テロの脅威増大なども重なって不透明感が広がり「下振れリスクが強まっている」との見方を示した。
欧州局のプラダン副局長は記者会見で、EUと英国の離脱交渉が長引き、金融市場の動揺が続けば、ユーロ圏の成長はさらに鈍化しかねないと警告した。