ポルトガル政府は24日、経営不安に陥っている国内大手銀行の国営カイシャ・ゲラル・デ・デポジトス(CGD)の救済に向けた50億ユーロ規模の資本増強策について、EUの欧州委員会と基本合意した。27億ユーロの公的資金注入を柱とする同措置は、EUの公的支援ルールに抵触する恐れがあったが、欧州委は健全な競争を阻害するような優遇策は盛り込まれていないと判断し、容認した。
CGDは資産額で国内最大の銀行。同行はポルトガルを揺るがした信用危機の影響で巨額の不良債権を抱え、厳しい状況に直面していることから、政府は救済を決めた。
資本増強策は政府が27億ユーロを注入するほか、◇政府系持ち株会社の5億ユーロ相当の株式をCGDに移管する◇CGDが9億~9億6,000万ユーロ相当の偶発転換社債(ココ債)を証券化する◇CGDが劣後債で10億ユーロを調達する――という内容。
欧州委は資本増強策について、CGDが公的資金を利子を付けて返済するなど市場原理に沿ったもので、公的支援には当たらないとして、実施を承認した。