欧州委員会は24日、マルタ政府の出資で中小企業への融資とインフラ投資を専門に行う「マルタ開発銀行(MDB)」を設立する計画を認可したと発表した。MDBは資金調達が困難な中小企業と民間からの投資が不十分なインフラ事業に対する支援を目的としており、同行の設立によって金融市場における競争が阻害される恐れはないと判断した。
マルタ政府は7月にMDBの設立計画を欧州委に申請した。それによると、政府は設立資金として2億ユーロを出資するほか、租税免除と政府保証のかたちで約5,500万ユーロの資金支援を行う。
欧州委はEU国家補助規定に照らしてMDB設立計画を検証した結果、同行は市場で十分な資金を確保できない中小企業やインフラ事業に特化して融資や投資を行う点に着目。MDBの活動によって民間金融機関が競争で不利な立場に置かれたり、民間投資が阻害されるおそれはないと結論づけた。
ただ、中小企業やインフラ事業を取りまく投資環境の変化を考慮して、欧州委は2019年にMDBに対する公的支援策の妥当性を再評価する。