EUと英の「大陸パートナーシップ」創設、有識者グループが提言

ベルギーのブリュッセルを拠点とするシンクタンクのブリューゲルは8月29日、英国のEU離脱後の同国とEUの関係について、「大陸パートナーシップ」という枠組みを創設し、協力関係を維持することを提言した。英国とEUが断絶せず、緩やかに結びつくことを目指す内容だ。

この提言はドイツ下院・外交委員会のノルベルト・レットゲン委員長、仏首相の顧問を務めるジャン・ピサニ・フェリー氏、イングランド銀行(英中銀)のポール・タッカー元副総裁など5人の有識者がまとめたもの。英国がEU単一市場へのアクセスを認められる代わりに、EUの予算、安全保障に貢献し、EUから一定規模の移民を受け入れるという内容となっている。

同構想では、英国は離脱後もEUの単一市場、安全保障、防衛など一部の分野の政策決定に投票権は持たない形で関与することを認められる。ノルウェー、スイスといった欧州の非EU加盟国と比べて、より緊密にEUと連携することになる。

ブリューゲルは英国とEU加盟国は地理的な問題で相互依存せざるを得ない関係にあり、「欧州の経済、政治の安定と利害関係を持っている」とした上で、「世界が不安定で危険な状況にある中、(欧州)諸国は新たな課題に対応するため協力しなければならない」と指摘。EUと英国にとっては大陸パートナーシップが唯一の現実的な選択肢になるとしている。

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