高齢者の就労促進へ、年金柔軟化法案を閣議了承

ドイツ政府は14日の閣議で、年金受給ルールを柔軟化する法案を了承した。高齢労働者の就労意欲を高める効果が見込めることから、高齢化に伴う人材不足が緩和されると期待されている。議会の承認を経て来年7月1日から施行される見通しだ。

ドイツでは年金支給開始年齢(毎年月単位で上昇しており、今年は65歳5カ月)に達した人が被用者として働いた場合、企業は同被用者の年金保険料の雇用者負担分を公的年金機関に納入しなければならない(被用者は免除)。それにもかかわらず、同被用者の公的年金の支給額は引き上げられない。

同法案が施行されると、◇雇用主はこれまで同様、年金保険料の雇用者負担分を納入する◇当該被用者は保険料の被用者負担分を納入するかどうかを自らの意志で決定できる――ようになる。保険料を支払えば年金受給額が増えることになるため、仕事に就こうという意欲が高められる。

年金支給開始年齢前に年金の受給を開始した人(早期年金受給者)の就労に関してもルールが改善される。これまでは月450ユーロ超の勤労収入があると(年に最大2カ月は900ユーロが上限)、年金受給額が少なくとも3分の1減額されていた。

同法案の施行後は勤労収入の上限枠を月単位でなく年単位で定めるルールが導入される。上限額は6,300ユーロで、年額としてはこれまでと変わらない[(450×10)+(900×2)]ものの、年単位のため柔軟性が高い。

また、6,300ユーロを超えて稼いでも年金支給額を減額されず、超過分の60%を取得できる(残り40%は支給額と相殺される)。

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