ドイツの公的健康保険の薬剤費支出が昨年は前年比約4%増の369億ユーロとなり過去最高を更新したことが、地域別一般健保組合(AOK)の調査機関WIdOの最新レポートで分かった。後発医薬品に比べて高額な特許薬で上昇幅が大きい。レポートを編集したウルリヒ・シュヴァーベ氏は、売上高上位250種類の医薬品をベースに作成した薬価指数でドイツはオランダ、英国、フランス、スウェーデンを上回っていると指摘。後発薬の利用を増やすほか、特許薬の薬価を引き下げることが必要だとの見方を示した。
特許薬向けの薬剤費支出は昨年149億ユーロとなり、前年比で約10%増加した。リューマチ治療薬「フュミラ」やC型肝炎治療薬「ハーボニー」「ヴィキラックス」など一部の極めて高額な特許薬が同支出の押し上げ要因となっている。フュミラの薬価は英国に比べて76%、ハーボニーはスウェーデンに比べて同49%高いという。