ノルデアがABNアムロに合併提案、蘭政府の拒否で実現せず

スウェーデン金融最大手のノルデア銀行がオランダ大手銀行ABNアムロに合併を提案したが、オランダ政府の反対で実現しなかったことがこのほど分かった。オランダのNRCハンデルスブラット紙などが6日報じた。

消息筋によると、ノルデアは6月にABNアムロに買収による合併を提案。ABNアムロの過半数株式を保有するオランダ政府と交渉したが、政府が提案に応じられないとして拒否し、9月に協議が打ち切られた。提案にはABNアムロを持ち株会社とし、その傘下にノルデアを置くことで、拠点をスウェーデンからオランダに移すことが含まれていたという。

ABNアムロは2007年、ベルギー・オランダ系の金融大手フォルティスと英ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド(RBS)、スペインのサンタンデールに分割買収され、オランダ部門はフォルティスの傘下に入った。しかし、金融危機を受けて政府が08年に217億ユーロの公的資金を注入し、完全国有化した。その後にフォルティスのオランダ銀行部門と統合し、ABNアムロの名称を引き継いだ新銀行が設立された。昨年に新規株式公開(IPO)を実施し、国有化されてから7年ぶりにアムステルダム証券取引所に再上場したが、現在も政府が株式の77%を保有している。

ノルデアは北欧最大の銀行だが、超低金利などで経営環境が悪化している。ABNアムロとの合併には収益基盤の強化に加えて、スウェーデンの厳しい資本規制を逃れる意図もあったとされる。

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