独銀最大手のドイツ銀行(フランクフルト)がリテール銀行子会社ポストバンクの放出計画を中止するとの観測が出ている。ロイター通信が消息筋の情報として25日報じたもので、ポストバンクをドイツ銀に完全統合することを検討しているという。両行は報道内容へのコメントを控えている。
ドイツ銀は昨年4月、収益力を向上させるとともに、金融規制の強化に対応する計画の一環としてポストバンクの過半数株を放出して2018年までに連結対象から除外する方針を打ち出した。だが、同子会社は買い手がみつからないうえ、新規株式公開(IPO)の見通しも立っていない。このため、ドイツ銀は自行のリテール部門とポストバンクを新設する中間持株会社に統合することを検討している。
同検討の背景には、ドイツ銀が経営不振に陥り資金調達能力が低下しているという事情もある。ポストバンクを統合すれば同子会社の顧客預金を活用できるためだ。
ポストバンクを統合する場合は、コスト削減措置が強化され、大規模な人員削減も行われるという。