ドイツ銀が7-9月期に利益計上

独銀最大手のドイツ銀行が27日発表した2016年7-9月期(第3四半期)の税引き前損益は6億1,900万ユーロの黒字となり、61億100万ユーロの赤字となった前年同期から大幅に改善した。比較対象の15年7-9月期は巨額評価損と法務関連の引当金を計上し利益が圧迫されており、その反動が大きい。純損益も60億2,400万ユーロの赤字から2億7,800万ユーロの黒字へと転換した。同行は現在も大きな法務リスクを抱え経営不安観測が出ていることから、市場では赤字を計上するとの見方が強かった。

法務関連の引当金は5億100万ユーロで、前年同期の12億900万ユーロから60%減少した。貸倒引当金は前年同期の2億700万ユーロから1.5倍の3億2,700万ユーロへと拡大している。9月末時点の狭義の中核自己資本比率(CET1比率)は6月末を0.3ポイント上回る11.1%へと上昇した。

税引き前損益は4部門すべてで改善した。債権や株式、外国為替を手がけるグローバルマーケット部門(GM)は19億8,900万ユーロの赤字から3億3,000万ユーロの黒字へと転換。大手企業向けサービス部門(CIB)と個人・中小企業向け事業と富裕層向け資産管理事業を手がける部門(PW&CC)も黒字転換を果たした。

ドイツ銀は同日、メキシコ子会社2社(ドイチェ・バンク・メキシコ、ドイチェ・セキュリティーズ)を現地同業インベスタ・バンクに売却することも明らかにした。財務基盤・収益力強化に向けた戦略の一環で、今後はメキシコ事業を他の国の拠点から展開していく。

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