VWが売上予測引き上げ、排ガス不正の引当金は積み増し

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)は27日の決算発表で、2016年12月期の売上高見通しを引き上げた。1-9月期の業績(0.2%減の1,599億3,200万ユーロ)が予想を上回ったためで、「前期実績(2,132億9,200万ユーロ)を最大5%下回る」としていた従来予測を「前期水準」へと上方修正した。売上高営業利益率(特別要因を除くたベース)についても「5.0〜6.0%」とした予想レンジの上限付近になるとの見通しを明らかにした。

16年7-9月期(第3四半期)の純損益は22億7,700万ユーロの黒字となり、前年同期の赤字(17億3,100万ユーロ)から大幅に改善した。比較対象の15年第3四半期はディーゼル車排ガス不正問題の発覚を受けて引当金66億8,500万ユーロを計上し水準が大幅に押し下げられており、その反動で改善幅が膨らんだ。営業利益(特別要因を除く)は17.0%増の37億5,000万ユーロ、売上高は1.0%増の519億9,700万ユーロだった。

同社は排ガス不正問題に絡んで第3四半期に引当金4億ユーロを積み増した。これにより同問題の引当金総額は182億ユーロへと拡大した。

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